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第121夜 まあ、なんてこと!

●「まあ、なんてこと!」 昨:デイビッド・スモール 訳:藤本朝巳 平凡社
 木よう日、イモジェンがめをさましたら、なんと なんと あたまの上につのがはえていました。
 という出だしで始まる。
 それはそれはでかっくて、先がいくつもに分かれたりっぱなつの。ついているかわいい女の子が困っている。 
洋服が着られない、ドアからでられない・・・家族のみんなはびっくり仰天して、ママなんて気絶してしまった。学校では校長先生が立ちすくんでとまっているし。でもいいこともある。角にドーナツをかけておくと、小鳥さんが遊びに来るし、ロウソクをいっぱいともして、ムードがでるし。
そうして夜がきて、朝が来て。
なぜか角は消えてしまった。フツーのかわいい女の子のイモジェンちゃんになった。
しかし・・・よろこんだのもつかの間・・こんどはおシリから孔雀の羽が広がっちゃった。おしまい。
絵がたまらなくかわいくて軽快。イモジェンっていう名前の響きもなんかおもしろくて不思議なんだが。

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第120夜 うちのペットはドラゴン

●うちのペットはドラゴン 文:マーガレット・マーヒー 絵:ヘレン・オクセンバリー
訳:こやまなおこ 徳間書店
  ちなみに、作者は、ニュージーランド代表する作家、絵の方はイギリスの人。
 ベルサーキ家は、ふつうの町にあるふつうの家に住むふつうの家庭。ある日お母さんが、父さんに「息子のオーランドのペットに何かかってきて」と頼んだ。お父さんは、何と50ペンスの大安売りだったチビドラゴンをかってきてしまった。
 さあ、それからはふつうでなくなった。
 ドラゴンはどんどん大きくなって、火までふくんだもん。
 ある日市長さんが見にやってきて、ドラゴンを売りなさい、じゃなかったら、ハンドバックにしなさい」だって。
 さて、かわいがっていたんで、家族全員、プンプン。しかし、ドラゴンは大食いだし、あまりに大きくなりすぎて、無理があるのだね、おうちで飼うには。
そこにドラゴンが話し始めた。「ぼくもそろそろどっかにひっこさないと、と思っていたんだ、いっしょに魔法列島に行こうよ」
 そこで、ベルサーキ家はクリスマス休暇として、ドラゴンの背にのって、空を飛んでいった。
 楽しくて不思議なクリスマスのあとに、ドラゴンの代わりにクロネコといっしょに、空飛ぶ絨毯で帰ってきたんだが。クロネコもちょこっと不思議で・・・で終わり。
   この本、実に絵がおもしろくて楽しい。
  絵本の命はやっぱり絵だなあ、とつくづくと思う。

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第119夜 くものこどもたち

●「くものこどもたち」 作:ジョン・バーニングガンム 訳:たにかわしゅんたろう ほるぷ出版
 アルバートは、お父さんとお母さんと山にのぼった。でも、おりるときに、がけからおちてしまった。でも、うんがよかった、雲の子たちがアルバートをうけとめてくれたんですね。
谷川さんの文もいいけど、なんといっても、絵がいい。谷川さんの言葉は、たいていどんな絵にも負けないけど、これは絵の勝ちかな。
 初め、雲や山の写真にイラストを合成した絵本?と思ってかりたのですが、絵でした。しゃしんのような、絵のような、マンガのような・・ふしぎで楽しい絵本。

 ★幼児(よみかせ)から大人まで 

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第118夜 ぼくのかわいくない いもうと

●ぼくのかわいくないいもうと 浜田桂子 ポプラ社
 表紙の、かわい「くな」いの、「」の中だけ色がオレンジ色になっていた。思わず、笑って借りてきた。
 「ぼく 2ねん1くみ、はやし こうた ぼくにはいもうとがいる。」
 とまあ、ページをめくると、ランドセル背負った、きかん気そうな男のこの絵がある。
まためくると
「1ねん3くみ、まほっていうなまえ。」とくる。
 きかん気そうな兄ちゃんオンナバンという感じの元気な女の子が、兄ちゃんのシャツのすそをしっかと握って登校する絵がある。
 このまほちゃん
 すごいおしゃべり すごいでしゃばり
かわいくておとなしい妹、命令をよくきく弟、赤ちゃんでまだ口のきくことのできない妹・・・いいなあ、とこうたくんは人がうらやましくて仕方ない。
ところがある日、オタフク風邪にこうたくんがなった。
 なおったら、まほちゃんにもうつった。
 しずかっていいことだとおもうけれど・・・なんだか物足りない。
 そこで、寝ている妹に「ぼくかわいいいもうと」ってほんを読んでやった。
***
まあ、ありがちな話ですが、絵がなんとも元気でかわいい。

★幼稚園から、2年生くらい

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第117夜 雪国の伝統的なくらし

●雪国の伝統的なくらし 作:須藤功 小峰書店
 著者の須藤氏は、民族写真家という肩書きがついている。
 塾で「雪国新聞」をつくるという勉強をするので、その資料になれば、と思って借りてきた。ページをめくったら、なつかしい写真が満載。即ち、角巻(かくまき)姿の女性とか、わらで作ったミノボウシかぶった子どもとか、小正月にまゆだまを飾っている写真とか、とにかく忘れていたあれこれを思い出す写真がいっぱいだ。
ムムム、と思ったのは、地震で崩れる前の美しい山古志の棚田がたくさん写真になっている、さらに、二階からも入れるような設計をした山古志独特のうちのつくりとか。
 あと、38年豪雪で、二階から出入りしている写真もあった。もう、なかなかこんなにたくさんは降らないねえ。
 ナニゲに借りてきた本だが、わたし、この本が欲しくなりました。
 母に見せたら、よろこびそうだ。
 ★小学校高学年より
 

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第116夜雪女

●雪女 作:小泉八雲 訳:平井皇一 絵:伊勢英子  偕成社
 やはりこの時期ですから、雪関連の本を1冊いってみましょう。とうことで、ラフカーディオ・ハーンの雪女。伊勢英子さんの絵が、ハーンのお話を支えていて品格高く美しい。
訳者の平井さんは英文学者で、ハーンをとりわけ愛し、全訳ラフカーディオ・ハーン全集を著された方だとか。
 とまあ、この絵本のバックグランドは、格調高い。
 お話は、武蔵の国のある村に、茂作と巳之吉というきこりがいた。ある寒い夕暮れ、山から帰る途中で、ひどい吹雪にあった。小屋に逃げ込んだものの、火の気はなく、そのまま寝込んだ2人。ふっと目が覚めた巳之吉が見たものは、白装束の女が、茂作の上にかがんで白い息をふきかけているところだった。こわい眼をしていたが、美しい女だった。女は、巳之吉のところにもやってくると、吹きつけようとしたが「お前はまだ若い、止めておこう、ただし、今夜みたことをいったら命はない」と。茂吉は翌朝死んでいた。
 やがて、時が経ち、山であった色の白い美しい娘を巳之吉は嫁にした。子どもが10人うまれてふたりは仲睦まじかったが、ある雪の夜、巳之吉は「ヒミツ」を話したのであった。雪女は「子どもたちのことを思うと、わたしはあなたを殺せない、子どもを幸せにしないと、命をもらう」といって、消えてしまった。
 まあ、異種族婚姻の、世界のどこにでもある話系だが、それでも、美しくも悲しいのは雪が白くてなぜか、人を魅せるせいだろうか。
 冬に一回くらいは、こういう雪の怪談ものを読んで効かせるのはいいかもです。
  ★小学校中学年より

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第115夜 ヘリコと小鳥

●ヘリコと小鳥 絵:アンドレ・ダーハン 宝島社
 絵だけの「絵本」である。軽いタッチの、何となくほのぼのとした画風にひかれて借りた。作者は、アルジェリア系フランス人。頑固鋭い、なかなか見目麗しきオノコである。
アンドレ・ダーハンシリーズというのがあって、そのうちの一冊みたい。
 裏表紙に、「巣から落ちた小鳥を育てるやさしいヘリコ。小鳥がじょうずに飛べるようにはげまします。」と字が入っている以外は、絵のみ。
 でもさ、この文字は、前述のごとく、漢字がしっかりと入っていて、この本のターゲットはだれ?とやや疑問。小さい子どもにも手にとってほしいなら、文字はひらがなだけにすべきでしょうね。
 本を開いたら、巣の上に立つ鳥、次のページは1羽が落っこちている。
 さて、ここからがはじまり、はじまり。
 ローズ色の木の葉にのって、サッと小鳥のことろにとんでいくヘリコ。そして拾い上げる。ヘリコは、水浴びをさせてやり、ごはんを食べさせて、いっしょにお散歩をして、ベッドで本を読んでやり・・・・タクトを振って、小鳥は上手にさえずる練習も、それから、何と、手をパタパタさせて飛ぶ方法も教えているんだわ。
 めくるとつい、微笑んでしまう・・さらに、色もきれいだ。まだまだ続くのですが・・・最後は、小鳥は元気に飛んで、ヘリコは葉っぱで、他の鳥たちもいっしょに、とみごとなハッピーエンドでありまする。でも、ヘリコさん、何となく星の王子さま風味のスタイルで、これはフランスのイラストの宿命?(笑)
 子どもとおしゃべりしながら読むのに最適本。さらに、文字がないので、大人にとっても示唆に富む。子育て、人との関わり等など。
 わたしが絵だけ本が好きなせいかもしれませんが、この絵だけ本も今までの本同様いいい感じですね。
 ★3歳から

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第114夜 泣いた赤おに  

●泣いた赤おに  作:濱田広介 絵:藤城清治 学校図書 3年生の読み物より

 節分も近いし、鬼のお話を一つ取りあげたい。鬼の話は「桃太郎のおにたいじ」に始まって、数々あるが、やっぱりわたしはこれをおすすめしたい。
 かつて「ひろすけ童話」といったら、必ず出てきた作品である。
 この話の中の鬼は、優しくてさびしがり屋で人間となんとかして友だちになりたいと思っている鬼である。で、うちの前に立て札を立てた。
 ココロノ ヤサシイ オニノ ウチデス。
 ドナタデモ オイデ クダサイ。
 オイシイ オカシガ ゴザイマス。
 オチャモ ワカシテ ゴザイマス。
 でも、ニンゲンたちはこわい。きやしない。
 赤おにを見るとみんな逃げていく。
「気持ちのやさしい、まじめなオニでも、気みじか者でありました。」
 この文体、今どきはとても古風。久しぶりに読んだひろすけ童話にわたしがまず感じたのは、ことばの品、豊かさであった。
 赤鬼がやけになりそうになったときに青鬼が助け船を出す。
「ぼくが村に行って暴れるから、君はそこに来て、ぼくをやっつければいい、そうすれば、人間たちは君が優しい鬼だとわかってきっと遊びに来るよ」
 そうなった・・計画通りになったが・・・赤鬼は青鬼のことが心配になって、久しぶりに会いに行った。
そうしたら、玄関のわきに張り紙があった。
「ボクハ キミニ シバラク オメニ カカリマセン。ニンゲンガ キミヲ ウタガウコトガナイトモ カギリマセン・・・」
 そう、あお鬼は、赤鬼のために遠くに旅にでたのであった。
この、最後の青鬼のカタカナのお手紙は泣かせますぜ。 
 自己犠牲と友情。
 いいお話です、といいたくなります。
 藤城さんの美しい絵と共に、ぜひともお子さんとまっとうに楽しんでほしいお話であります。絵本にもなっているはずだし、たいていの図書館にあると思います。
 ★3年生以上 
 

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